大塚真理プロフィール

実践介護コンサルタント・親子の絆再生コミュニケーター
ザ シニア コンシェルジュ代表

資格:ケアマネージャー、産業カウンセラー
介護の現場を知り尽くし、実践経験が日本一豊富な介護コンサルタント。

アメリカのリタイアメントホーム勤務時には、一人ひとりの尊厳を第一に考え問題解決をはかる姿勢を身につけ、日本の病院、介護施設においてはトータルな相談援助の能力を磨き、在宅サービスの新規立ち上げを成功させた実績を持つ。
介護保険制度スタート時に民間企業に移り、有料老人ホームの立ち上げに参画し、施設運営の成功ノウハウを身につける。また、入居前の相談から入居後の生活までトータルに関わった経緯から、「失敗しないための老人ホームの選び方」を確立する。


介護相談員として常に現場の視点を大切にしながら、お客様の不安や不満の解消をはかることをモットーに活動を続ける。今までに、5,000人以上の介護相談を受け、延べ1万人以上のご家族が抱える介護に関する問題を解決してきた実績を持つ。

15年に及ぶこれらの実践経験から、老後・介護に対する不安を抱いている人たちが非常に多いことと、介護を体験することにより家族関係が悪化するケースが増えていることに驚く。その結果、「老後・介護に対する一人ひとりの不安を解消し、安心を提供できるサービスを作りたい」と強く思うようになる。また、家族崩壊を防ぐ方法として、ご本人とご家族の間に介護の専門家が入ることにより、皆にとっての最適な選択肢を提供できるはずだと考えるようになる。

「その選択肢の一つとして、有料老人ホームの存在価値がある」との想いから、2005年ザ シニア コンシェルジュを創業。「失敗しない老人ホーム選びのノウハウ」を活かし、カウンセリング、有料老人ホームの選び方指南、見学同行、契約立会サービス等、介護問題の解決策としての有料老人ホームの選択に関するトータルなサービスを行っている。また、総合情報サイトAll About「シニアライフ」ガイドをはじめ講演、執筆活動など幅広く活動している。

経歴

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1993年 アメリカNY州Elmira College卒業(学士号取得) 専攻は、Aging Services
大学卒業後、NY州総合老人施設Bethany Villageにて、ソーシャルワーカーの研修生として活動する。主に、アクティビティー参加率の低い入居者さんの生活支援、入居相談、デイケアのアシスタント業務を担当する。リーダーシップトレーニングに参加し、Outcomes Driven Development Model(ODDM)を習得。

1996年 医療・介護におけるサービス業を目指す、医療法人行陵会にて、ソーシャルワーカーとして勤務。相談援助業務のみではなく、デイケア、デイサービスの立ち上げを担当。三菱商事株式会社と共同出資した「在宅配食サービス」の立ち上げメンバーでもある。

2000年 株式会社 ベネッセコーポレーション シニア事業部(現 ベネッセスタイルケア)に入社。日本で最大の居室数を誇る有料老人ホームの設置・運営に携わる。初期の立ち上げメンバーとして、介護スタッフの採用、教育・研修に携わる。また、今までの現場視点を活かして、お客様の窓口として入居前の相談から入居後の生活をトータルサポートし活躍する。

2005年 ザ シニア コンシェルジュ 創業
シニア世代とそのご家族に対するカウンセリング(有料老人ホームの選び方、介護相談など)。シニア世代に関する分析・執筆、講演活動を行う。

2006年から総合情報サイトAll About シニアライフ担当ガイドを務める。
2008年4月から半年間、読売新聞の「有料老人ホーム・高齢者住宅特集 選択の心得から入居後まで」を担当。「月刊現代」等取材協力、「月刊ストアジャーナル」等執筆、「コミュニケーション能力アップ講座」等講演多数。

大塚真理の原点

1) いくつになっても人間としての尊厳を大切にすること。

年を重ねることは素晴らしく、美しく年月を重ねることは可能であることを学ばせてもらったエピソード。この出会いこそが私の原点。

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アメリカNY州にあるリタイアメントホームで、入居者の女性Miss Ruthと出会う。Ruthは当時92歳。彼女は、宣教師としてインドで布教活動も経験している元教師。教師引退後は、牧場を経営していたのだが、一人で生活することが困難になったため、ホームへの入居を決める。

私は彼女をとても尊敬していて、ある日「Ruth、あなたは本当にindependent(自立)した女性だと思うの」と話しかけると、

Ruthは「自立しているとは言えないわ。だって、カフェテリアに行くのにも、一人では行けないでしょ。だれかの手助けが必要なのだから」と。

私「でも、経済的にも精神的にも自立しているわ、あなたは」

すると突然彼女は、大きく口を開けて「奥の方を見てみて」と。私が彼女の口の中を覗き込むと、奥歯に近い歯茎に大きな腫瘍が見つかった。

私「ええ~、大変!医者には見せたの? 痛みはないの? 」と問いかけた。

Ruth「ちゃんと見せたわよ。悪性の腫瘍ではないから、大丈夫だって言われたわ」

「人を理解するという行為は、相手の口の中を覗き込むぐらい難しいことだと思うの。そして、それをどう感じどのように受けとめるかは相手によっても違うものだと思うの」と。

2) 老人ホームへの入居は、ご本人にとって大きな不安を生むことを知る。

私の使命は、相談者の気持ちをまず受けとめることだと学ばせてもらったエピソード。親子の絆再生コミュニケーターとしての原点。

入居面談を担当した時のこと。対象は80歳の女性で息子さんも同席。彼女は、イタリア系移民で、7歳の時にアメリカに移り日常会話は英語を使っているとのこと。しかし、こちらが彼女に質問を始めると、一つの文章に英語とイタリア語が混じり、上手くコミュニケーションがとれない。息子さんに再度確認するが、普段は英語を話しているので問題はないとのこと。面談を再開するが、彼女は肩を震わし泣きだしてしまった。

そんな彼女の姿を見ていて、私は夜間緊急の病院に運ばれた時のことを思い出した。高熱が続き激しい腹痛で苦しみ、医師の質問に対して「痛い!とにかく痛い!!」という日本語しかでてこなかった。その時の心情は、とにかく恐怖と不安でどうしようもなかった。きっと彼女も、不安に押しつぶされそうになっていたのだろうと共感し、彼女の肩をギュっと抱きしめてあげたかった。