① 何をおいても先ず、親の気持ちを理解しましょう！
「子供に迷惑をかけたくない」という思いを、日本人の多くの親は持っています。老人ホームの入居を決めた一番の理由にもあげられているほどです。その一方で、老人ホームの入居を考え始めると、強い不安を覚える親も多いものです。だからこそ、親の気持ちを理解して、不安を受けとめてあげることこそが、子どもに求められる最も重要なことであり、ホーム選びの最初の共同作業となります。
② 入居の目的を明確にしましょう！
「なぜ老人ホームへの入居を希望するのか？ 」、その目的をはっきりとさせましょう。例えば、今は一人暮らしで問題はないが、将来への不安を軽減したいため。今現在介護を必要としていて、より安心な介護サービスを希望しているため等。このように目的をはっきりさせると、失敗するリスクを抑えることにつながり、また、老人ホームの種類、機能、サービス内容等をしぼりこむことができるため、最適な老人ホーム選びにつながります。
③ 多くの情報を集め、具体的なイメージを持ちましょう！
インターネットであれば、自治体の介護サービス情報（有料老人ホーム一覧表）や、比較検索サイトを活用しましょう。また、老人ホームや高齢者住宅の特集を組んだ雑誌も数多く出ていますので、参考にしましょう。それで気になるものがあれば、その老人ホームのホームページにアクセスして調べたりするか、または資料請求をしましょう。
④ 家族間で話し合い、キーパーソンを決めておきましょう！
家族間の意見を取りまとめるのは大切なことです。例えば、金銭面の責任をもつ身元引受人はだれが担うのか？ 老人ホームとの連絡窓口係はだれにするのか？ 兄弟で分担する場合は、しっかりとコミュニケーションが取れるようにしておかないと、後々のトラブルの原因となります。
⑤ 資金計画はしっかりと立てましょう！
老人ホーム入居後に、見落としていた費用や予期せぬ出費に驚く人は多いものです。そうならないために、重要事項説明書、契約書では、入居一時金（または保証金）、毎月支払う費用以外に、かかるであろう費用項目をすべてチェックして、計算しておきましょう。そして、不明な点については、契約する前にホーム側に確認しておきましょう。
⑥ 納得がいくまで、何度でも見学しましょう！
いくつか気になる老人ホームが見つかれば、ご家族で見学にいきましょう。同じホームであっても、曜日、時間帯を変えて何度でも足を運ぶことがコツです。特に、入居者のご家族の訪問が多い週末が狙い目です。生の声を聞き、家族としての心得を学ぶチャンスでもあります。またイベントなどがあれば積極的に参加して、入居者とスタッフとの日常のかかわりに関する情報を集めましょう。
⑦ どんな人が入居しているのかを確認しましょう！
入居した後に「こんなはずではなかった」と思えることに、入居者間のトラブルがあります。例えば、入居者それぞれの育った家庭環境が違うため話が合わない、認知症の人が多くコミュニケーションがとれない、80代の入居者が多いので世代間のギャップがある、認知症の人が部屋に入ってきて困るなど。入居者間でもめごとが起きた時のホームの対応についても確認しておきましょう。
⑧ 結局はひとが全てです。スタッフを徹底的にチェックしましょう！
入居後多くの時間を共に過ごすのは、介護スタッフやホームの職員です。また、介護スタッフの入居者への対応の良し悪しは、ホーム内の信頼関係の良し悪しで決まります。だからこそ、ホーム長、看護師、介護スタッフの雰囲気、人柄、話しぶりはどうか？ また、職員同士の関係は良好なのか？ 特にリーダーであるホーム長は現場の事をよく理解しているのか？ という視点でチェックしてみましょう。
⑨ ご自分の感性を信じましょう！
最終的な判断基準は、「自分が入りたいと思える老人ホームかどうか」です。それはすなわち、「親が居心地良く感じるかどうか？ 」にもつながります。親の老人ホームを選んでいるのではなく、立場を置き換えて、ご自分が入居するホームを選んでいるというつもりで考えた方がいいでしょう。ご自分の将来を考える上でも貴重な経験となります。
⑩ 入居後のことについても、詳しく確認しておきましょう！
入居後のフォローアップ体制については、特に念入りに確認しておきましょう。万一事故やトラブルが発生した場合の対応についても、ホーム側に聞いておきましょう。また、緊急時の医療対応や家族への連絡体制などについてもしっかりと確認しておきましょう。